2024年3月18日から阪神甲子園球場で開催される【第96回選抜高校野球大会】。すでに各地区から21世紀枠の候補校が発表されました。
21世紀枠は今まで3校が選出されていましたが、次回の大会から全国で2校選出になりました。
2024年1月26日に開かれる選考委員会で、21世紀枠での出場校2校が決定されます。
この記事では、候補校9校の出場の可能性についてまとめました。
2024年センバツ・21世紀枠の候補校はどこ?
2023年12月8日に、日本高等学校野球連盟から選抜高校野球大会の21世紀枠の候補校9校が発表されました。発表された候補校は以下の通りです。
地区 | 代表校 | |
北海道 | 別海高等学校(北海道) | |
東北 | 仙台第一高等学校(宮城県) | |
関東 | 水戸第一高等学校(茨城県) | |
東海 | 帝京大学可児高等学校(岐阜県) | |
北信越 | 富山北部高等学校(富山県) | |
近畿 | 田辺高等学校(和歌山県) | |
中国 | 岡山城東高等学校(岡山県) | |
四国 | 大洲高等学校(愛媛県) | |
九州 | 鶴丸高等学校(鹿児島県) |
北海道:別海高校(公立)
北海道地区では、北海道別海(べつかい)高校が候補校に選出されました。別海高校は野付郡別海町にある公立高校です。
別海町は酪農の街として知られ、人口1万5千人に対し乳牛は10万頭以上です。普通科と酪農経営科があり、働きながら学ぶ農業特別専攻科(2年制)も設置されている高校です。
秋の北海道大会では4強入りを果たした別海高校は、準決勝で今夏甲子園に出場した北海高校に敗れました。秋の北海道大会2回戦が秋の初勝利という別海高校は、準決勝でも北海高校と互角に戦いました。
現在の野球部員は16名で、センバツ出場となれば日本最東端の甲子園出場校ということになります。
卒業生には、お笑いの徳井健太さん(平成ノブシコブシ)がいます。
東北:仙台一高(公立)
東北を代表する進学校である仙台一高。偏差値69という難関の高校です。
卒業生には菅原文太さん(俳優)、井上ひさしさん(小説家・劇作家)、岩井俊二さん(映画監督)など著名人をたくさん輩出している伝統校です。
仙台一高は秋の宮城大会で3位になり、東北大会へ出場しました。東北大会では2回戦で、準優勝した八戸学院光星に敗れました。(2対5)
東日本大震災で、仙台市内の高校では唯一グランドが津波被害を受けました。その経験を活かし、海岸に防災林を育てる活動に積極的に取り組んでいます。
文武両道・困難な状況を克服・地域に貢献という推薦理由で候補に選出されました。
関東:水戸一高(公立)
県内一の難関進学校で偏差値は73という水戸一高。恩田陸さんの小説『夜のピクニック』のモデルとしても有名です。
著名な卒業生には、深作欣二さん(映画監督)、恩田陸さん(小説家)、立花隆さん(ジャーナリスト)、長谷川五郎さん(オセロの開発者)など多数。
秋の茨城県大会ではベスト4に入り、準決勝で関東大会ベスト4の常総学院に敗れました。投手・小川君はMAX141キロの右腕で、茨城大会では3試合連続の完封勝ちをしています。
東海:帝京大学可児(かに)高等学校(私立)
岐阜県にある私立高校です。
秋の岐阜大会では、今夏に甲子園出場の大垣日大に1点差で負けベスト16でした。昨年の夏大会では県岐阜商に負けて準優勝、今夏の大会でも、準決勝で大垣日大にタイブレークの末に負けています。
2023年のドラフトで日本ハムファイターズ育成3位の、加藤大和さんがいます。
部員数は78名、マネージャー4名という強豪校です。部員の中には埼玉県や愛知県、大阪府から入学した生徒もいます。
北信越:富山北部高等学校(公立)
富山県富山市にある公立高校です。偏差値は52で普通科・情報デザイン科・くすりバイオ科に分かれています。野球部員の約半数が、くすり・バイオ科に所属しています。
くすり・バイオ科の野球部員は、卒業後は薬品関係の職に就く生徒も多くいます。文武両道を実現していることなどが候補に推薦された理由に挙げられています。
卒業生には漫画家の立野真琴さん、元プロ野球選手の藤田賢治さんがいます。
富山県の秋大会では準優勝(優勝は富山商)、北信越大会では1回戦敗退でしたが4点差を追いつきタイブレークまで持ち込みました。
この夏の県大会でも準優勝した富山北部高等学校ですが、2015年から2019年までは県大会でも初戦敗退が続いていました。部員も少なく、2020年秋は1年制主体の連合チームだったそうです。
部員数は35人(うち、マネージャー2人)です。
近畿:田辺高校(公立)
和歌山市にある県立高校です。中学校も併設されています。偏差値は55です。
秋の和歌山大会では、市立和歌山高校・智弁和歌山学園などの強豪校を破って準優勝しています。近畿大会では一回戦で強豪の京都国際高校に惜敗しています。
部員数は18人です。
中国:岡山城東高校(公立)
岡山県岡山市にある県立高校です。偏差値は65の県内有数の進学校であり、夏2回・春3回の甲子園出場歴があります。
岡山城東高校は、シンガーソングライター・藤井風さんの母校としても話題になりました。
野球部員数は34名(うちマネージャー5人)です。
秋の岡山大会では創志学園に負け、準優勝でした。17年ぶりに出場した中国大会では、1回戦で宇部鴻城高校(山口県)に敗退しています。
四国:大洲高校(公立)
愛媛県大洲市にある県立高校です。石井タオル(お笑い芸人バンビーノのメンバー)、ノーベル物理学賞(青色発光ダイオードの開発)を受賞した中村修二さんの母校で進学校です。
偏差値は58です。
秋の県大会ではベスト8でした。甲子園出場経験はありません。部員数は28人(うちマネージャー3人)です。
文武両道を目指す進学校であること、豪雨被害を経験し地域のボランティアに取り組んでいることが評価されました。
九州:鶴丸高校(公立)
鹿児島県鹿児島市にある県立の高校です。
鶴丸高校の偏差値は74で、九州の公立でトップの難関進学校です。東京大学・京都大学や国立大学医学部などに多数の合格者を出している高校です。
秋の鹿児島県大会では、鹿児島実業・鹿児島商業などの強豪校を破って4強入りしました。
鶴丸高校は、1925年の第2回選抜高校野球大会に出場しています。もし今回、センバツ出場となると99年ぶりの甲子園となります。
2024年センバツ・21世紀枠出場校予想
現在、9校が21世紀枠の候補になっています。出場できるのは、どの高校になるのでしょうか?
2024年の選抜高校野球大会から、21世紀枠は3校から2校になりました。また、地域性も加味されないと明言されています。
各地区の出場予想と合わせて予想してみましょう。
北海道地区(1校)
北海道代表は1校です。秋の北海道大会で優勝したのが北海高校、準優勝が東海大札幌高校です。北海高校は神宮大会で、準優勝した作新学院に敗れました。
北海道の地区代表最有力候補は、北海道大会優勝の北海高校です。その北海高校に準決勝で負けたのが、21世紀枠候補の別海高校です。
別海高校の選抜出場は、かなり有力なのではないかと考えます。
東北地区(3校)
秋の東北大会の結果は以下のとおりです。
- 優勝:青森山田高校(青森県)
- 準優勝:八戸学院光星(青森県)
- ベスト4:一関学院(岩手県)・学法石川(福島県)
東北1.2位はどちらも青森県の高校です。ベスト4も福島県と岩手県の高校です。仙台一高は宮城県のため、バランスとしては出場の可能性があります。
関東地区(4校)
関東地区代表は4校+東京か関東のどちらかで1校です。関東大会の結果は以下の通りです。
- 優勝:作新学院(栃木県)
- 準優勝:山梨学院(山梨県)
- ベスト4:常総学院(茨城県)・健大高崎(群馬県)
- ベスト8:帝京三高(山梨県)・花咲徳栄(埼玉県)・中央学院(千葉県)・桐光学園(神奈川県)
ベスト4に常総学院が入っているため、同じ茨城県の水戸一高が選ばれるかどうかが難しいところだと思います。
『地域性を加味しない』と公表されているため、実績としては水戸一高も十分に可能性があると思います。
北信越地区(2校+神宮枠1校)
北信越地区は、秋大会の全国大会である神宮大会で星稜高校(石川県)が優勝しました。神宮大会で優勝した高校がある地域に『神宮枠』として+1校が出場できます。
北信越大会の結果は、以下の通りです。
- 優勝:星稜高校(石川県)
- 準優勝:敦賀気比(福井県)
- ベスト4:日本航空石川(石川県)・北陸高校(福井県)
石川県と福井県に偏った結果になっています。21世紀枠の候補が富山北部高校(富山県)のため、バランスとしてはとてもいいように思います。
しかし、北信越地域で4校になってしまうのでどうでしょうか。
東海地区(3校)
東海地区の地区代表は3校です。東海大会の結果は以下の通りです。
- 優勝:豊川高校(愛知県)
- 準優勝:愛工大名電(愛知県)
- ベスト4:藤枝明誠(静岡県)・宇治山田商(三重県)
帝京大学可児高等学校は岐阜県のため、地区選抜の高校とは重なっていません。実力もかなりあるため、選抜される可能性が高いと言えます。
近畿地区(6校)
近畿地区からは6校が選抜されます。近畿大会の結果は以下の通りです。
- 優勝:大阪桐蔭(大阪府)
- 準優勝:京都外大西高(京都府)
- ベスト4:京都国際(京都府)・耐久(和歌山県)
- ベスト8:履正社(大阪府)・須磨翔風(兵庫県)・報徳学園(兵庫県)・近江(滋賀県)
和歌山県立耐久高校がほぼ確定だと思われますので、同じ和歌山県勢が21世紀枠に選ばれるかどうかというのが気になるところです。
しかし過去には、同じ県から複数校が選抜されたこともあるので、期待したいですね!
中国地区(2校)
中国地区からの地区選抜は2校です。中国大会の結果は以下の通りです。
- 優勝:広陵(広島県)
- 準優勝:創志学園(岡山県)
- ベスト4:高川学園(山口県)・宇部鴻城(山口県)
準優勝の創志学園が出場するとなると、21世紀枠の候補は岡山県の岡山城東高校です。こちらも同じ県からの出場となります。
『地域性を加味しない』のであれば、十分に可能性がありますね。
四国地区(2校)
今回の大会から、中国・四国地区はそれぞれ2校ずつとなりました。四国大会の結果は以下の通りです。
- 優勝:高知高校(高知県)
- 準優勝:阿南光(徳島県)
- ベスト4:明徳義塾(徳島県)・鳴門高校(徳島県)
高知高校・阿南光高校はほぼ確定だと思われます。それぞれ高知県と徳島県ですので、愛媛県の大洲高校が21世紀枠に選ばれるのはとてもバランスがいい気がします。
九州地区(4校)
九州地区からは4校がセンバツされます。九州大会の結果は以下の通りです。
- 優勝:熊本国府高校(熊本県)
- 準優勝:明豊(大分県)
- ベスト4:神村学園(鹿児島県)・東海大福岡(福岡県)
ベスト4の上村学園が選ばれれば、鹿児島県から2校になります。鶴丸高校がセンバツに出場すれば、99年ぶり2回目となります。実力も知名度も高い高校で、99年ぶりの出場という話題性を重視して欲しいですね。
2024年センバツ・21世紀枠まとめ
2024年3月18日から阪神甲子園球場で開催される、『第96回選抜高校野球選手権大会』の21世紀枠の候補についてまとめました。
どの高校も実力や活動内容などが素晴らしく、全校が選ばれて欲しいと思ってしまいます。
『地域性を加味しない』『21世紀枠は2校』というのが今回から採用されます。同じ県から複数校が出場できるのであれば、別海高校・水戸一高・田辺高校・岡山城東高校・鶴丸高校あたりが可能性が高いでしょうか?
地域性を考慮するとすれば、仙台一高・帝京大可児高校・富山北部高校・大洲高校の可能性が高まります。
2024年1月26日に発表されますので、楽しみに待ちたいと思います。